自家焙煎の草分け、吉祥寺「もか」店主・標交紀。“感動を誘う”コーヒーを創り出した男―…。
そんな紹介文を目にして、いまの私が読まないわけがありません。
標交紀さんが生前、吉祥寺「もか」で自家焙煎コーヒーに心血を注いでいた頃、ちょうど私は三鷹にある会社に勤めていました。
吉祥寺は歩いて行ける場所であり、知ってさえいれば彼の淹れたコーヒーを飲めたかもしれません。
といっても、私がコーヒーに強い興味をもったのは僅かここ半年のことで、それまでは喫茶店にさえ縁遠く、接点は限りなくゼロでした。
それでもいま『コーヒーの鬼がゆく – 吉祥寺「もか」遺聞』を読み終えると「もったいないことをした」と痛切に感じます。
まだ私には「これがおいしいコーヒー!」という確たる基準がありません。標さんの淹れたコーヒーならもしかしたら、と夢想させてくれる一冊でした。
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